Works|作品紹介

f-house

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ここで提案されたのは、団地各戸の閉鎖性に対しては→「開放性」を、強風地域での切妻(方形)瓦屋根に対しては→「陸屋根」を、そして職住分離の住宅団地にあっては→「SOHO的な職住混合」という、それぞれ対極のプログラムであった。これは、西側に広大な農地が広がりそこからの吹きさらしの強風がまともに深瀬邸にぶつかる地形的特徴を単なる閉鎖性だけにとどめないため、西を閉鎖した分、南は一気に開放し、さらに団地という住宅に特化された地区にデザイナーのアトリエを埋め込むというデザインに帰結したものだった。具体的には、建築は210㎡の敷地に、建築面積60㎡、延床面積110㎡という小規模、低層、鉄骨2階建、陸屋根となった。1階オフィス、2階住宅というシンプルな構成で成り立ち、家族構成は夫婦2人。1階の玄関を入ると正面に書斎があり、仕事を離れたクライアントの個室となっている。北西に切り取った開口からは、北に富士山、西には大平山を望む。南側のオフィスは透明性を強調したガラスファサードとしており、これが外観の大きな特徴となっている。2階は居住空間となっており階段を上がったところは水回りと一体化した風通しの良いホールとし、物干場と兼用となっている。南側は居間兼食堂のワンルーム。南に向けては1階のオフィスと同様にガラスファサードで構成しており、付近の景観を思い切り取り込む。いずれもガラスはすべてが複層ガラスとなっている。東端には住居部分の巾3300いっぱいまでの電動スクリーンが降りて、145インチの映像がプロジェクターで投影できる。またサラウンド等の音響設備は天井埋め込みか家具内に納めた。強風対策には低さと陸屋根に加えて、余分な軒を持たないことが有効であり、そのために1階の天井から2階床、2階天井から屋根までのいわゆる「ふところ」といわれるスペースを最小限にして最高高さを6.1mに抑え、さらに庇のような突出物を極力出さないことで、それらを表現の特徴に据えた。さらに、西風に対抗する西側の外壁は、シームレスな外壁材としてガルバリウムの角波で構成して雨の侵入を防いだ。南面と東面は工業製品のサッシだけの構成として、基本性能としての耐風圧性能と水密性能の安定性を買い、ガラスは複層ガラスとして断熱を図った。

 

<雑誌掲載>

JIA建築家カタログ5

 

 

※撮影 畑 亮

名称 f-house
所在地 沼津市
カテゴリー 住宅・福祉 / 全用途 / 受賞作品
構造規模 S造
建築面積 60.30 m2
延床面積 110.70 m2
竣工年 2008年

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