Works|作品紹介

s-house

s-house

■敷地s-houseの敷地は、焼津市の南、農地に囲まれた市街化調整区域の中にあり、その西側には県道226号線が南北に通る。この県道226号線はs-houseの敷地の前で北からの国道150号線と接続しているが、すでに国道化が決まっており、現在は拡幅工事が行われている。それに伴って新しい道路境界線の確定の手続きが終了したため、施主のs氏はそれを待って、両親の住む敷地の北側に、夫婦と幼い子供2人のための住宅を建つことになった。要求将来の国道150号線沿線に建つs-houseは、幹線道路の交通量の多さから来る、排気ガス、騒音、振動に対する建築的対策と、2人の子供たちの安全が保たれ、その上で明るく開かれた住宅を望まれた。

■提案そこで提案したのが、騒音や振動を防ぐR状の壁と、片流れの屋根の下に取り付くハイサイドライト(採光のための欄間)であった。すなわち、西側の国道に対してR状の壁を配して、国道からの視線を遮り、騒音、振動に対抗させた。さらに片流れの屋根は同じ理由で国道側には閉じて架け、東に高さ600の欄間を開けることによって、午前中の陽を十分に受け、換気も取れるようにした。   南から西に回る太陽は、徐々に三角形に閉じる欄間から消え、夏の西日を防ぐ。2階の個室や夫婦の寝室はすべてハイサイドライトからの陽を享受し、天井に反射した光が柔らかく降り注ぐ。1階と2階を繋ぐ吹き抜けはその降り注ぐ光を1階の居間や食堂に届け、1階の居間では東南に大きく開けられた開口と相まって、明るく開放的な空間が広がる。 ウッドデッキと組み合わされた庭は、住宅をはさんで国道とは反対側にあり、子供たちが安全に遊ぶ環境を確保している。

■場所性の投影今回計画されたs-houseは、両親の既存の住宅との間のスペースを行かすために、敢えて既存と平行に配置した。その結果、新国道とは平行せず、これからできるであろう町並みとは、将来的に角度を持つことになる。そこで将来の町並みとの違和感を解消させるためのしかけが、R壁であった。すなわち、R状の壁は、騒音や振動対策、視線のカットやプライバシーの保護のためだけではなく、s-houseと町並みとの間にある振れの角度が顕在化しないための、視覚的な緩衝作用を持たせている。こうして産業道路としての国道150号線沿線に建つs-houseは、R壁、片流れの屋根、ハイサイドライトの組み合わせにより、場所性の、形態への投影となって建ち現れている。

 

<雑誌掲載>

JIA建築家カタログ5

 

 

※撮影 畑 亮

名称 s-house
所在地 焼津市
カテゴリー 住宅・福祉 / 全用途 / 受賞作品
構造規模 木造
建築面積 105.77 m2
延床面積 148.98 m2
竣工年 2008年

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